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『瓢鮎菓子について』柳苑 古城社長インタビュー
            (聞き手)退蔵院 松山大耕



退蔵院・松山大耕(以下、退蔵院):
瓢鮎菓子の特徴について教えてください。

柳苑・古城社長(以下、柳苑):
瓢鮎の絵が表面に表現されているところです。

退蔵院:瓢鮎菓子は外がパリッとしていて中がふわっとしている味わいがあります。この味わいを生み出す秘訣は何でしょうか?
柳苑:楽石はお進物のお菓子として昔からありますが、それに京菓子の技術で生菓子に近いものにしており、中が柔らかいのです。京菓子の材料である、生のあずき、丹波の栗の風味を生かしまして、瓢鮎図の水墨画にある黒と白のコントラストを表現できるよう工夫しております。

退蔵院:原料のお話しが出ましたが、詳しくお話しいただけますでしょうか?
柳苑:あずき、くり、厳選されたお砂糖、餅米の粉、白あんを使用しております。この材料を用いて、外がパリッとしており中がふわっとさせますのは、それは容易なことではございません。しかし、ここに柳苑の、京菓子のすぐにできない良さというものがあります。甘さも抑えて、ご進物にも使えるよう日持ちするようにしておりまして、銘菓と言えます。

退蔵院:瓢鮎菓子を作るに至りました経緯をお教え下さい。
柳苑:昭和35年ぐらいでしょうか、京都では名石庭、庭園に対して世間の注目が集まっておりました。弊社の楽と表面に押してあります楽石のお菓子を退蔵院さんにご覧いただいて、これを生でできないかというお話しがございました。京の庭と楽石がこの菓子の出発点になったのでございます。

退蔵院:竜安寺さんでも同じお菓子を売られておりますが、同じ製法や原料でお作りされているのでしょうか?
柳苑:はい、ほとんど製法と原料は同じでございます。

退蔵院:では、生菓子の感触を生かしつつ、楽石のよさを取り入れる苦労などについてお話しいただけますでしょうか?
柳苑:上の白い砂糖の部分ですが、片栗粉とかんばいこう、白あんを用いて混ぜて作っております。これを糖度70%ぐらいまでならよいのですが、甘すぎるとうまくいきません。一般には上の白い粉の部分が中のあんこに浸透して黒くなってしまいます。あんはあんに乾くと汚いですし、しめっているとべたべたします。
また、甘いと日持ちがよいので、そのバランスがございます。糖度を調整しながら、白と黒のコントラストを保つのに苦労しております。
実際、初めの頃は、退蔵院さんから1,2日で表面が黒くなったと言って取り替えることもございました。また5,6月の湿度が高い季節は表面が湿っぽく黒くなってしまいます。去年あたりからそういったこともございませんでしたので、調合のバランスは大丈夫かと思います。
季節ごとに糖度の調合を変更しております。お菓子は生き物ですし、売り物にならないとあきまへんので。

退蔵院:京菓子の特徴についてお話しいただけますか?
柳苑:先代から教わっていることでもありますが、利休さんの申しました「飾りのない、派手やかでもないけれど上品さがある」といったところが特徴かと思います。余所の県に行きますと、赤や青のお菓子もございますね。京都も派手なお菓子が好まれることもあります。デパートでも色気がないと買われないものです。

退蔵院:京菓子は派手ではないけれど、質で勝負しているということでしょうか?
柳苑:茶道の心得を持っているのが京菓子どす。お菓子は抽象的なもので、観る人によってそれぞれ鑑賞できますもの、皆さんに喜んで愉しんでもらえるもので、そうでないと時代についていけなくなってしまいます。

退蔵院:では最後に和菓子、京菓子の楽しみ方を教えてください。
柳苑:お茶とお菓子はセットですので、ご一緒にお楽しみいただきたいと思います。茶席でなくとも、一家の団らんで茶の間で一時を愉しんでもらえるものです。茶菓子もありますし、餅菓子もいろいろありますが、銘菓というのが柳苑でございます。京であってこそ、抹茶、茶菓子というイメージがあり全国の皆様に喜んでもらえるものです。

菓匠 柳苑
京都市中央区寺町丸太町下ル下御霊前町644−1 〒604−0995
電話 075−222−0500 ファックス 075−211−0137
フリーダイヤル 0120−87−3389




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